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炙りについて
「炙(焙)る」は非常に日本的表現で「焼く」「焦がす」といった単純な熱入れとは違い、その意味は広く、なかなか明確な説明はしにくい言葉です。敢えて言えば、「焦がさずに焼く」と表現するのが近いように思われます。
ところが、電磁波の科学的分析、解明が進み食品の加熱調理がずいぶんと進歩したおかげで「焼く」と「炙る」の違いがかなり鮮明になりつつあります。つまり、先人達が両者に別の表現を用いたのは赤外線の波長の使い分けであったろうと思われます。
昔の料理人用語に「煮炊き三年、焼き八年」という言葉があります。熱源が炭や薪以外に無かった時代、火のコントロールが難しい焼き調理には長年の修練が必要とされていた事が伺えます。
ご存知の通り「鰹のたたき」は三枚に卸した鰹をわら束を燃やした炎の先でサッと焦がし、表面にだけ火を入れて、中は生そのままの焼き方をします。一方婚礼の宴席等で出される「鯛の浜焼き」等はウロコを落とし、内臓を抜き、そこに適度の塩をして焦げ易い尾ヒレには厚く塩をまぶします。これを強火の遠火でじっくり焼き上げる手法を取ります。鯛の表面にうっすら焦げ目が付く頃には、芯までしっかり火が通っています。しかも芯には旨みである水分が残っていて柔らかいのです。 科学的に分析すれば「鰹のたたき」は主に近赤外線、「鯛の浜焼き」は主に遠赤外線を利用した調理法と言えます。
つまり、近赤外線は表面を素早く焼き焦がすが中には火が通りにくく、逆に遠赤外線は表面に焼き色が付きにくいが中に火が通るという特徴がそれぞれあります。
先人達が感覚的に使い分けた知恵が、今日、科学的に解明されればされる程、彼らがいかに正確にその火の性質を熟知していたかに驚かされます。
焼肉八輪の火力についてはこちらをご覧下さい

 

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